そしてバイトが終わると、リュウの携帯にメールがきていた。
中を見ると、ハルキからだった。
“ ちょっと、話がしたい。ユイの家の前のベンチにいる ”
「……。」
リュウは携帯をしまい、ノブに声をかける。
「ノブ、おまえ今日あっちの道から帰れよっ」
「…はっ?なんで?」
「俺ちょっと用あるからっ」
「えっ?用って、じゃぁ道なんてどっちでもー…」
と、ノブは言いかけて何かを察する。
そしてリュウの肩を叩き、ふぅーと息を吐く。
「まぁー…頑張れよ?(修羅場だな…)」
「なにをだよ?話すだけだ、だいたいおまえ今日肩叩きすぎっ」
「ははっ、おまえ今日大変そうだから、応援してんのっ」
「ウソつけっ、だいたい元はと言えば…」
「はいー?」
ノブの能天気な顔にリュウは呆れる。
「あーもういいっ、行ってくる」
「ほーい、行ってらっしゃーい」
手を振るノブにため息をつき、リュウはハルキの元へ向かった。