「…なに?話って」



サクラはリュウの顔を覗き込む。



リュウは視線を前に向けて口を開いた。



「…あのさ、こないだノブとユイの家に泊まった日あったじゃん?」



「うん…?ユイちゃんのご両親に頼まれたって…」



「うん…実はあの日、途中でユイの友達とノブが抜けてしまって…」



「……えっ?」



「結局、俺だけが泊まったんだ…」



「……っ」



「ごめんっ…でも、ノブとかが喋るより、俺からちゃんと話したかったんだ……あと、サクラが心配するようなことはなにもないから」



「……なにも?」



「ユイと、おじさんとおばさんにはお世話になってるから、俺は…残った…」



「そっか…?」



リュウの話にサクラは少しとまどった顔をしたものの、すぐにリュウに笑顔を向ける。



「うん…分かった、ちゃんと話してくれてありがとうっ」



「うん…悪かったな?」