そして夏休み突入。
浜辺では、海開きが行われていた。
ポツポツと人が来る中、海の家「夏風」では、ユイとリュウとノブが開店の準備を始めていた。
テーブルの上の椅子を下ろしながら、ノブが口を開く。
「それにしても、愛原ん家が海の家経営してるとはなぁー?」
「ははっ…」
私だってビックリだよ、クラスの男子が来るなんて…。
ユイは引きつった笑顔を返す。
「愛原さぁ〜客の前ではちゃんとしろよ?」
「あのねー?私は毎年手伝ってるのよ?瀬川よりは出来るわよっ」
「へぇー?そりゃ楽しみだな?」
そう言って、リュウは二カッと笑顔を向ける。
「……っ」
瀬川って、読めない…。