そしてユイもお風呂から出ると、二人は歯磨きをして二階へと上がった。



「戸締りしたか?」



「うん…っていうか、リュウお父さんみたいっ」



「うるせーよ、ユイが抜けてるからだろ?」



「はぁー?なにそれっ」



「ぷっ…まぁ、いーや、じゃぁ…な?」



「うん…」



リュウはそう言うと、ユイの隣の部屋に入って行こうとする。



「あっ…リュウっ」



「…ん?どうした?」



「さっきは…ありがとう?」



「あー…うん、全然っ」



「じゃぁ、おやすみ」



「おぅ」



そして二人は別々の部屋に入る。



パタンとドアを閉め、ユイはベッドに寝っ転がる。



「はぁー…なんだか、心が落ち着かないや…」



あきらめるって…決めたのに。



多分、原因はさっきリュウが私の手に触れたから…。



でも、あれぐらい別に…誰だってするよね?




誰だって…。




ユイは重くなってきた瞼を、ゆっくりと閉じる。