「…リュウ」



「ん?どうした?」



「あんまり、私なんかに…優しくしないで?」



「……えっ」



少しうつむいて言うユイに、リュウはとまどう。



「…けど、今は仕方ないだろ?」



「うん……そだね」



すると、ユイの上に置いたリュウの手に、少しだけ力が入る。



私を安心させるため…だよね?




リュウ…。




暗闇の中目を閉じた時、パッと明かりが戻る。



「あっ…ついた?」



「おぅ…」



そう言ってリュウは手を離し、立ち上がる。



「あーマジで良かったな?風も治まってきたみたいだし」



「ホント…良かったぁ」



そう言って二人の視線が混ざり合い、すぐにお互いそらす。



「じゃぁ…私、お風呂行ってくる…」



「…おぅ」



ユイは少し足早にお風呂に向かった。



リビングに残ったリュウは、おもむろにテレビをつける。



ふぅー…と息を吐き、リュウはさっきのユイの言葉を思い出した。