そして終業式が終わり、明日からはとうとう夏休み!
…と、背伸びをしたユイは下駄箱で丸まる。
「ユイちゃん、背中丸まってますわ」
「うーん…だって、華の女子高生の夏休みが家の手伝いに…しかもバイトにはクラスの男子がいて…どうも嬉しくないっ」
そう言って、ユイはぶすっとする。
「ユイちゃん、そんな顔してたらホントにブスになってしまいますわ」
「マリカさぁー…そんなニコッとしながら毒舌吐かないでくれる?」
「そんなつもりはないんですのよ?」
「あー…はいはい」
「私も遊びに行きますから、頑張って下さいね?」
「うーん…それならマリカもバイトに来てよっ」
「わたくしは、お小遣いには困ってませんわ?」
「あーそっ」
この…お嬢めっ。
二人が話しながらグラウンドを横切ろうとすると、ネット裏の芝生でリュウがグラウンドを眺めている姿に気づく。