7月。
期末テストも終わり、ユイが首を回しているところに、友達のマリカが来る。
「ユイちゃん、おっさん臭いですよ?」
「あーぁ、夏休みは家の手伝いかぁ~めんどくさーいっ」
「そういえばお家、夏は海の家経営してらっしゃるんでしたわね?」
「そう、何気に忙しいから、今年はバイト雇うことになったんだ」
「へぇ〜そうなんですの?」
「なんか今日面接あるみたい、どんな人が来るんだろ?」
「楽しみですわねっ」
「えー?まぁー…」
「では、わたくしはお迎えが来てますので、帰りますわ」
「あー…はいはい」
マリカは手を振り、先に教室を出て行った。
「まったく、お嬢様なんだから…」
友達の*藤堂マリカ*は、
中学からの友達で、いわゆるお嬢様。
ウェーブのかかった髪に、お人形みたいな顔立ち。
けど、たまに毒舌なのが傷なんだよね。