茉那とは中学三年生の時に同じクラスだった。
そのときまで、俺は都築 茉那という女子の存在を知らなかった。
だが、女子の間では結構有名だったらしい。
中三になってクラス替えをしたばかりなのに、新学期早々茉那はクラスの女子から仲間外れにされていた。
クラスメイトの女子達は、茉那に話しかけられても無視するのはもちろんのこと、彼女が通り過ぎただけで女子のグループ同士で集まって何か囁き合う。
直接的にいじめられているという感じではなかったが、茉那はクラスの中で浮いていた。
初めのうちは女子達に話しかけようとしていた茉那だったが、次第に諦めたのか一人で教室で座っていることが多くなっていった。
茉那は顔立ちがはっきりしているので、女子の中に入ると外見ではすごく目立つ。
何で茉那みたいな可愛い子が女子達全員から仲間外れにされているのだろう。
俺は一人でぽつんと淋しそうに座っている茉那を見る度にそのことが気になっていた。