高校卒業するまで、まだ一年半以上はある。

その間、あの生活に耐えられるだろうか。


真宏とはクラスが違うから、そのことだけが私の救いだった。

ため息をつきたいのは、どう考えても茉那じゃなくて私だ。


「あ!」

サンドイッチを齧りながら机に頬杖をついたとき、ついさっきまで空想に耽っていた茉那が突然大きな声を出した。

驚いて、机の端から私の肘がずり落ちる。


「いたっ……」

机の端で擦れた肘をさすりながら顔を上げると、茉那が大きな目をきらきらと輝かせて私をじっと見つめていた。


「何?」

肘が擦れた痛さと、茉那の不気味なその目の輝きに、私の頬がピクリと引き攣る。


「ねぇ、奏葉」

座っている椅子ごと全身を後ろに引きそうになっている私に、茉那は彼女のもつ最上の笑顔を見せた。