奏葉――……


初夏のそよ風に揺れる新緑のように、爽やかに伸び伸びと明るく育つように。

そして、葉が風に揺れてたてる音のように、人に安らぎを与えられる優しい子になるように。



ママがつけてくれた大事な名前。



だから、あの女に関わる人間にそれを教えるなんて。



そんなの、あまりにもったいないじゃない――……