「あぁ、こいつ?俺が居候させてもらうことになった親戚んちの子」

真宏の言葉に、拓馬が何か納得したような表情で頷く。


「あぁ。カオルさんの?」


カオルさん?

その名前に敏感に反応した私は、拓馬の横顔をじっと睨んだ。

      
こいつもあの女と関わりがあるのか……

それだけで拓馬を見る目つきが変わる。


私が凄んだ目で睨みつけていることに気がついた拓馬が、こちらに視線を向けて頭を掻いた。


「え、と……」

ほぼ初対面の相手に突然敵意をむき出しにされ、困っている。

そんな様子だった。