訴えかけるような目で私を見上げてくる茉那を見つめ、小さくため息をつく。


何が悲しくて、朝からこんなところで無駄な労力を使わなければならないんだろう。

私は茉那から視線を反らすと、ただ私を腹立たせることしか脳がないように思えるその男を見上げた。


「申し訳ないけど。私、性格は悪いけど素行は悪くないから」

すると、真宏が私を見下ろしながらにやりと笑う。


「性格悪いのは認めんだ?あぁ、確かに。外をほっつき歩いて夜中になっても帰ってこないくらい、お前は素行がいいもんな」

「……!」

言い返す言葉が見つからず、唇をきつく横に引き結ぶ。

この男、本当に腹が立つ。


「おい、真宏。お前何の話してんの?ていうか、この子誰?」


私と真宏のやり取りを傍で見守っていた拓馬が、呆れ顔で私の方を指差した。

真宏が私から拓馬へと視線をずらす。