「あれ、真宏?茉那?お前らこんなところで何してんの?」

そんな私達の異様な雰囲気を、カラッとした明るい声が突然打ち破った。

声の方に、私達全員が振り返る。


そこには、高い身長に不釣合いなほど童顔の男子生徒が立っていた。

髪の色こそ黒いものの、少し伸ばした髪はどれだけ時間を掛けたのか綺麗にセットされていて、格好や醸し出す雰囲気だけは真宏とよく似ている。


関わると、うざそう。

私の第六感がそう言っていた。

 
「拓馬」
「拓馬くん!」

真宏と茉那の声が綺麗にハモる。

二人に同時に名前を呼ばれ、拓馬と呼ばれたその男子生徒は少年みたいな人懐っこい顔で笑った。