「友達って……え?真宏、奏葉と知り合い?」
「茉那。こいつがこの前話したあの女の親戚。私も昨日知ったばっかりでビックリ」
私は真宏に一瞥をくれると、大きな目をきょろきょろさせて混乱している様子の友人にそう告げた。
「え!?じゃぁ、真宏が奏葉のお母さんの……?」
「“お母さん”じゃないから!」
強い口調で茉那の言葉を否定すると、真宏が私を刺すように睨んだ。
そんな彼を、私も冷めた目で睨み返す。
どうやらあの女は、男を味方につけるのがよっぽどお得意らしい。
茉那の目線よりも上で静かに睨み合う私達の周りに、異様な空気がじわじわと流れる。