昼間見たあの女は痩せていて色気も何もなかったけど、一応女だ。
この薄暗がりの中をほっつき歩いているのだとしたら、全く危険でないとは言えないかもしれない。
そんな事を考えていたちょうどそのとき、俺は小さな公園の前に差し掛かった。
公園の中にはよっぽど明るい街灯があるのか、そこから煌々とした光が見える。
何気なく入り口から公園を覗き込むと、街灯のすぐ下にあるブランコに細い人影が一つあった。
よくよく目を凝らして見ると、その人影はどうやらあの女のようだった。
「あいつ、何やってんだ?」
女はブランコに腰掛けてじっと何かを見上げていた。
手をあげて何かを頭上に翳しているようで、それが時々小さく光る。