手元にあるキーホルダーの星はまだ微かな輝きを放っているのに、灰色の雲で覆われた空には、ママの星がどこにも見えない。




『ママは空のお星様になったんだ。これからは星になって、パパやお前達のことをいつも空から見守ってくれるんだよ』



そう言ったのは、確かにパパだったはずだ。


この星のキーホルダーを私達にくれたのも。



「ねぇママ。ママの星は今どこにいるの――……?」


灰色の空を仰ぎ見ながら、問いかける。



パパがあの日言ったことが本当なのだとしたら、ママはもう夜の空なんかにいない。



だってもしそうだとしたら……

ママの星はあまりの悲しさに毎日泣いて、流れ星になって夜の空から零れ落ちて消えてる――……