夜の公園には、いつものように誰もいなかった。
昼は小さな子どもやその母親達でにぎわっているこの公園も、夜になると嘘のように静まり返る。
私は公園の中に入ると、街灯で煌々と照らされているブランコの方へと歩いていった。
この小さな公園は、その広さに見合っていて特別なものは何もない。
普通の公園だった。
あるのは、街灯の下で照らされているブランコと象の形をしたすべり台。
それからすべり台の下で子ども達を軟らかく受け止める小さな砂場。
そして、母親達が座っておしゃべりするベンチが二つ。
私はブランコに座ると、足の先でトンと地面を蹴った。
街灯に照らされて、私の乗ったブランコが揺れる。
でも、それは思ったほど大きな揺れではなかった。
小さな頃乗ったブランコはいつも空に届きそうなくらい高く揺れているような気がしたのに、今は地面の方が近い。
私が小さかったのと、ママが背中を押して大きく揺れ動かしてくれたのと。
そのせいでとても高く大きく揺れているように感じていたのかもしれない。