「蒔田は絶対善意だけでお前にその予備校勧めたわけじゃないと思うけどな」

その声がちょっと怒っているように聞こえて首をかしげると、真宏が真面目な顔つきになって私の目を見つめた。


「お前、ちゃんとわかってんの?いつか永遠の言葉を誓うとき、俺の隣に立ってるのはそわだから」

「へ?」

ぽかんとした表情を浮かべる私を見て、真宏が真っ赤になって髪を掻く。


「あぁ、もう。いつかそのときが来たらもう一回ちゃんと言う。だから、お前の方こそ心変わりすんなよ。特に蒔田とか」

そこでようやく真宏の口にした言葉の意味を理解した私は、目の前にいる彼以上に赤くなる。


「そわ、お前が照れんな!一回で理解されなくて恥ずかしいのは俺なんだから」

真宏はそう言うと、赤くなった私の顔を引き寄せてぎゅっと強く抱きしめた。

苦しいくらいにきつく真宏の胸に顔を押し付けられた私は、その距離にドキドキしながら彼の香りを胸いっぱいに吸い込む。

それから遠慮がちに真宏のシャツをつかむと、彼が私の耳元でため息を吐いた。