目を細めてもう一度空を見上げた奏葉が、今度は真っ直ぐに俺を見つめる。


「だけど朝になっても消えずに空にあり続ける星みたいに揺るがない気持ちを持ち続けることができるのだとしたら……私はその可能性を信じてみたいと思う」

奏葉がこんなに話すのは初めてだった。

だから俺は彼女の言葉を一言一句漏らさないように、しっかりと心に刻む。


奏葉は俺の方に一歩歩み寄ると、俺の手をぎゅっと強く握り締めてきた。


「ママの星をまたみつけてくれてありがとう……」

そうつぶやきながら俺の手を握る奏葉の手は少し震えていて……

だから俺は彼女の手をそっと握り返す。

すると奏葉は俺を見上げて、どこか恥ずかしそうにはにかんだ。


「ねぇ。あんたは、真昼の空でも消えたりしない、私の星でいてくれる?」

奏葉の言葉の意味を考え、それがわかった瞬間、俺はにやりと口元を綻ばせる。


「なぁ、そわ。それって俺への告白?」

俺が問うと、奏葉は顔を真っ赤にさせて俯いた。