「永遠に好きでいられるかなんて、それは正直今でもわからない。でも、今の俺はそわのこと、ずっと好きでいたいと思ってる。それじゃダメかな?」
奏葉はしばらく俺のことを食い入るようにじっと見つめたあと、空を仰いで目を細めた。
「今日は昼間の月が見えるね」
「え?」
奏葉の言葉に、俺も空を見上げる。
明るい晴れた昼間の空。
よく目を凝らすと、そこには白くて細い三日月がぼんやりと浮かんでいた。
「星も昼間は目には見えないけど、あの白い月みたいに本当は空でちゃんと輝いてるんだよね」
ぽかんと口を開いて奏葉を見つめると、彼女が優しく微笑む。
その笑顔は俺が今まで見たことがない程に柔らかく穏やかで……
彼女が見せたその表情に、今までにないくらい胸が高鳴った。
「昼間は空が明るいから見えないだけで、星はいつもちゃんと空にある。それなのに私は、ずっとそのことから目を反らしてきたんだ。朝になったら消えて見えなくなってしまう星みたいに、誰かへの想いもいつか簡単に消えてしまう。そう思い込んでた」