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目を開くと、そこには真っ白な世界が広がっていた。
ここはどこだろう……
さっきまで、暗闇の中を彷徨う夢を見ていたような気がする。
これは夢の続きだろうか。
突然頭にずきりと鈍い痛みが走り、手を動かそうとする。
だけどうまく腕があがらない。
その代わりに、身体に痺れるような痛みが走った。
「う……」
小さな呻き声を漏らすと、そばで誰かがはっと息を飲む音がした。
「奏葉ちゃん……」
聞き覚えのあるその声に顔が強張る。
でも身体を思いどおりに動かすことができなくて、私は引きつった顔で声のした方にそっと視線を動かした。
「奏葉ちゃん、目を覚ましたのね……」
視線の先には、なぜか目を真っ赤にしたやつれた顔のあの女がいる。
「よかった。今、ちょうど仕事を終えた祐吾さんがこっちに向かっているところなの。春陽ちゃんとまぁ君にすぐに電話しないと……あ、でもまずお医者さんね……」
泣き笑いのような表情のあの女は、ひとりでそんなことを早口で喋ってから私の前から離れていった。