本当に呼ばれたのかどうかもわからないのに、微かに耳に届いたその声をなぜかとても懐かしく思う。


そっと目を開くと、暗闇の向こうで何かが小さく輝いた。

優しく温かな光を放つそれに、じっと目を凝らす。


夜空に輝くたったひとつの星みたいだ。

ぼんやりと見つめていると、最初は小さな光だったそれは、次第に大きくなっていく。

光が近づいてきたのか、私が光に近づいたのか……

気づくと、真っ暗な闇の中にいたはずの私の身体は温かな優しい光に包まれていた。


「そわ……」

優しくて懐かしい声がする。

その声をはっきりと耳にしたと思ったとき、私の身体は光に吸い込まれるように飲み込まれた。


あまりに眩い光に堪えきれず目を閉じる。


ママの星……

飲み込まれて消える瞬間、温かな光を放つ小さな星が瞼の裏で鈍く輝いた。