卒業するまでにバイトをして一人暮らしのための資金を溜めて、家から出て行く。

そうなると、大学は高校卒業後すぐに行けない。

でももし叶えば、一人暮らししながら大学に行く資金を貯めたい。

もちろんそれが現実的には難しいことはわかっているので、大学に行くことは諦めなければいけないかもしれないけれど。


高校の卒業は、家を出て行くのにちょうどいいタイミングだとも思った。


ママのことを忘れられない私と、ママを忘れてあの女を中心に家族を取りまとめていこうとするパパ。

このまま一緒に生活をしていても、平行線を辿り続けて苦しいだけだ。


私は数日悩んだ末に、進路希望調査提出の締切日に結論を出した。

放課後、誰もいなくなった教室で真っ白だった調査用紙を埋めていく。

静かな教室に、カリカリとシャーペンの芯が削れる音が響く。

進路を希望する大学、学部、希望順位などの質問が続いたあと、最後に親同席の個人面談の希望日程を記載する質問があった。