でも……
『永遠でないならいらない』
奏葉にそう言われてしまったあの日から、俺はどうやって彼女と向き合えばいいのかわからなくなっていた。
思わずため息が漏れる。
それを聞いた拓馬が俺を見て笑った。
「真宏の場合、今は将来の進路どころじゃないか」
「何だよそれ？」
目を細めて睨むと、拓馬がにやりと笑う。
「将来のことよりも、今目の前にある現実の方が大変そうだもんな。その後、奏葉ちゃんとはどうなんだよ？」
一番触れてほしくない話題に触れられて、怪訝に思いながら眉をしかめる。
むすっとしたまま黙り込んでいると、拓馬は無遠慮に奏葉のことをしつこく尋ねてきた。
「最近はちゃんと話できてんの？そういえば、この前奏葉ちゃんを追いかけて行ったときあったよな。あのとき、ちゃんと一緒に帰れたの？」
あのとき……
拓馬が言っているのは、俺が奏葉に告白したあの日のことだ。
何も知らないから仕方ないとはいえ、拓馬の無神経さに俺はますます不機嫌になる。
