一人でそんな事を考えていると、春陽が俺の顔をじっと見上げていた。


「何?」

あまりにじっと見つめられて、俺は何かついてるのかと、手の平で頬を撫でる。


春陽はそれでもしばらく俺を見つめ、それからいきなりにっこりと微笑んだ。


「真宏くん、かっこいいね」

「へ?」


四つも年下の、しかも中一の女の子に突然そんな事を言われてものすごく戸惑う。

何と答えていいかわからず髪の毛をくしゃくしゃと掻く俺を見て、春陽はさらに愛想よくにこにこと笑う。


「やっぱかっこいい。おかあさんの親戚って言うから、絶対イケメンだと思ったんだ。おかあさん美人だし。その茶髪もすごい似合う!」

春陽は無遠慮に俺の頭を指差すと、困惑している俺にはお構いなしで話を続けた。


「ねぇ、真宏くんて、おかあさんに『まぁ君』って呼ばれてたでしょ?その呼び方可愛いよね」

「あぁ。そうかな……?」