真っ赤になって俯いている茉那は、同性の私から見てもとても可愛かった。


真っ赤な顔をした茉那に上目遣いで告白されたら、断らない男はきっといないと思う。

私はひりひりと痛む喉に飲み込んだ唾を落とすと、口元に無理やり笑みを浮かべた。

頬を引きつらせながら、茉那を見つめる。


「よかったね、茉那。おめでとう」

そう言ったあとも、私の心はずっとざわついていた。


祝福の言葉を告げた私を茉那が見つめる。

茉那は引きつった笑みを浮かべる私をしばらく見つめたあと、私から視線を反らして俯いた。


それから駅に着くまで、茉那は俯いたまま何も話さなかった。

真宏とのことを私に話して気恥ずかしかったんだと思う。

でもそれは、私にとっては好都合だった。

私も茉那に、何も話すことができなかったからだ。


茉那と別れて家の玄関を開けても、私の心はずっとざわつき続けていた。