振り返ると、真宏が玄関のドアに凭れかかりながら腕組みをして私と蒔田のほうを睨んでいる。
「みんな、お前が帰ってこないから夕飯食べるの待ってるんだけど」
真宏が不機嫌な声でそう言った。
玄関に凭れている真宏を見て、蒔田が驚いた顔をする。
「あれ?確か……同じ学校の高野くんだよね?」
蒔田が首をかしげながら、私に尋ねた。
「あぁ、うん……」
私は困ったように眉を寄せると、蒔田に言った。
「ちょっとした親戚で……今、うちに居候してるの」
「へぇ、そうだったんだ」
私の言葉に、蒔田が納得したように頷く。
ちらりと後ろに視線を向けると、真宏はさっきよりも怖い目で私たちのことを睨んでいた。
真宏が睨んでいることに気付いた蒔田は、彼の方に視線を向け、愛想よくにこりと笑いかける。
それからまた私の方に向き直った。
「夕飯前まで付き合わせちゃってごめんね」
「あぁ、全然」