『まぁ君がお姉ちゃんのことを好きになった』


真宏の残像を掻き消したと思うと、今度は春陽の声が想起される。



あいつが私を好き――……?


まさか。



私はベッドの上でもう一度大きく首を横に振る。

それから、何も考えないようにして目を閉じた。


でも結局、日が高く昇っても眠ることができなかった。