腑に落ちない思いを抱えながら自分の部屋に戻ると、もう真宏はいなくなっていた。
ほっとするような、でもどこか淋しいようなおかしな想いに囚われる。
私はゆるゆると首を振ると、時計に目をやった。
時計の針はもうすぐ六時を告げようとしている。
流れ星を見てせっかく幸せな気分になっていたのに、その気分はもう完全に消えてなくなっていて、心も身体もひどく疲れきっていた。
ため息をついてベッドに横たわる。
その瞬間、さっき押さえつけられた真宏の強い腕の力と彼の唇の熱い温度がふと甦ってきた。
真宏の柔らかくて熱い唇の温度。
それをリアルに思い出した私は、恥ずかしくなってかっと頬を赤く染めた。
ベッドに寝転がりながら、その記憶を吹き飛ばすようにぶんぶんと激しく首を振る。
そして、熱くなった頬を冷やすために深く深呼吸した。