『蒔田と付き合ってる。だったら、何だって言うのよ?』


だから、思った。


そんなこと、絶対に認めてたまるか!


奏葉が倒れたとき、ずっと傍にいたのは蒔田じゃなくてこの俺だ。

夕飯の時間になるといつもいなくなる奏葉を公園で見つけ出したのも。

カオルさんを憎んで髪を切る奏葉の暴走を止めたのも。

なくなった星のキーホルダーを見つけ出したのも。


全部。

蒔田じゃなくて、俺なんだ。



なのに……


どうして蒔田を選ぶ――?