「お前が夜中にこそこそ出て行ったりするからだろ?それも、今日だけじゃない」
「だからって……最低」
奏葉の言葉に、俺はまたかっとなる。
「つけられたくなかったら、昼間に逢えばいいだろ。それとも何?昼間じゃ行けないようなところに二人でバイクに乗って行ってたわけ?今何時だと思ってんだよ。朝帰りじゃん」
怒りにまかせて、思わずそんなことを口にする。
それ聞いた奏葉が、かっと顔を赤くして俺を睨んだ。
「あんた、やっぱり最低。どうしてすぐそういう考えに結び付けんのよ」
奏葉は顔を真っ赤にしながら、責めるように俺を非難した。
そして、俺を睨み挑戦的な声音で尋ねてくる。
「あんたが何がしたいのか、私にはさっぱりわからない。もし私が委員長と付き合ってたら?だったら何だって言うのよ?」
もし……
あとで冷静になって考えてみると、このとき奏葉はそう言っていたんだと思う。
だけど怒りでかっとなっていた俺は、奏葉の言葉を勝手にこう解釈していた。