どうもおかしい。

奏葉と遊園地に行ったあとから、俺はずっとそう思っていた。

星のキーホルダーが見つかってから、奏葉は元気になった。

元気になったのはいいが、彼女はここ最近、夜になるとこそこそと部屋を抜け出してどこかに出かけているようだった。

そしていつも、真夜中にこっそりと部屋に戻ってきている。


祐吾さんもカオルさんも気付いていないみたいだったけど、隣の部屋で生活している俺はちゃんと気が付いていた。

ずっと黙って様子を見ていたけど、あまりに気になるからさっき奏葉に聞いてみた。


何か隠し事をしていないか。

だけど奏葉は、何もしていないとぶっきらぼうに俺に答えただけだった。


何もしていない、なんて。

絶対そんなはずないと思う。

だから俺は、隣の部屋から聞こえてくる奏葉の様子に耳をそばだてて彼女が隠している秘密を探ってやることにした。