蒔田が西口と何か話しだしたので、私は缶ジュースを持って展望デッキをうろうろと歩き回った。
それに飽きると、展望デッキの端に設置されていたベンチに座り缶ジュースの蓋を開ける。
ぼんやりと座っていると、微かに水が流れる音が聞こえた。
近くに小川でもあるのかもしれない。
一人で時間を過ごしていると、しばらくして蒔田がやってきて私の隣に座った。
「月島さん、もうすぐ時間だよ」
蒔田に言われて空を見上げた。
「今日は雲が少ないから期待できると思うよ」
蒔田も私の隣で空を見上げる。
「あ……」
蒔田の口から小さく声が漏れる。
そのとき私たちの頭上で何かがキラリと小さく輝いた。
本当に一瞬。
短い光の筋が空を流れる。
「あ!今流れた!!」
蒔田の声に続いて、展望デッキの各所からそう叫ぶ声が聞こえた。