真っ暗な山道はどんなに険しいだろうと少しびびっていたけれど、ハイキングコースの木の階段はかなりしっかりと補強されていて、夜でも比較的登りやすかった。
十分ほど登ると、小さな休憩所のような場所に辿りついた。
そこは二階建てになっていて、上は小さな展望デッキになっている。
「あそこだよ」
蒔田が展望デッキを指差す。
目を凝らして見ると、何人かの人がそこにいてぼんやりと空を眺めていた。
「もうほとんどみんな来てるみたい」
私は頷くと、蒔田に続いて展望デッキへと登った。
「あ、蒔田先輩、月島さん」
展望デッキに着くと、蒔田の後輩の西口が私たちを笑顔で出迎えてくれた。
「まだ時間が早いから、みんなお菓子食べたりして適当に時間潰してます。先輩たちもどうぞ」
そう言って西口は私と蒔田に缶ジュースをひとつずつ手渡してくれた。
「おぅ」