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その日、夕飯を食べ終えた私はいつものようにさっさと自分の部屋へと向かった。

真宏に言われてから、あの女の作る夕飯を家で食べるようにはなった。

だが、そのあとゆっくりと団欒をとる気は毛頭ない。

今夜は蒔田が迎えに来てくれる時間がいつもより遅いので、それまで仮眠を取ろうと思っていた。


「そわ」

だがその日に限って、二階に上がりかけた私に真宏が声をかけてきた。

怪訝な顔で振り返った私を、真宏がやけに真剣な眼差しで見上げてくる。


「何よ?」

思わずそう答えると、真宏が階段を上がってきて私と肩を並べた。

そうして私の手首を掴むと、真っ直ぐに目を見つめてきた。


「何……?」

「そわ。お前、なんか隠していることない?」

あまりに真っ直ぐに見つめられてたじろぐ私の心中を覗き込むように真宏が問いかけてくる。


「は?」

突然わけのわからないことを尋ねられ、私は思いきり眉を顰めた。