駅から去っていく蒔田に手を振ると、スマホに付けた星のキーホルダーを空に翳した。

蒔田達と過ごした時間は充実していてとても楽しかった。


もしかしたら、ママの星だって見つけられるんじゃないか……

星のキーホルダーを夜空に透かしながら、私はふとそんなことを想像して思わずほほ笑んだ。


それから何日か置きに、私は天文部の活動に参加した。

参加するときは、いつも蒔田が駅までバイクで迎えに来てくれる。

私は夜にこっそりと家を抜け出して、また夜中にこっそりと戻っていくるということを何度か続けていた。

夜中にこっそり戻ってきても誰も起きてくる様子はなく、父も気付いている様子はない。


そうしているうちに、夏休みはどんどん過ぎていき、もうすぐ終わりかけようとしていた。

私は夏休みの終わりごろにある、流星群が見れるかもしれないという日をとても楽しみにしていた。