「月島さんが来れるって言ってくれたこの日なんだけど……」

蒔田はジュースを一口飲むと、ジーパンのポケットを探って夏休みの日程表を取り出した。

そして、夏休みの終わりかけの日を指でさす。


「帰る時間が遅くなっても大丈夫?」

「どうして?」

私が不思議そうに首を傾げると、蒔田が笑った。


「天候にもよるんだけど、流星群が見れる日なんだ。その代わり見れる時間が遅いから、結構長い間待機しとかないといけないんだけど……」

「流れ星……?」

蒔田からそのことを聞いた私は、何だか少しわくわくした。


「その日はこの場所でもちょっと明るいから、もう少し離れた山間まで行くんだ。どうかな?」

蒔田に問われ、私は少し考えてから頷いた。


「大丈夫。遅くなっても平気」

私が答えると、蒔田がほっとしたように笑った。


「よかった。帰りもちゃんと近くまで送っていくから心配しないで」