私はシャーペンを握ると、参加できそうな日程に丸印を付けた。

それからスマホを手に取ると丁寧な字でメモされた蒔田の電話番号の数字を端から順番に押していく。

電話をかけると、蒔田はすぐに出てくれた。


「もしもし?」

「もしもし、月島です」


「あぁ、月島さん」

私が名乗ると、蒔田の声のトーンが少し上がった。


「全然連絡してなくてごめんなさい」

私は蒔田からもらった天文部の日程表を見ながら、天体観測に参加したい日程を何日か伝えた。

一番早い日程は、明後日の夜だった。


「わかった。集合時間が遅いから、月島さんが参加する日は近くまで迎えに行くよ」

蒔田は快くそう答えると、待ち合わせの場所と時間を電話で伝えてきた。

私はそれをひとつひとつメモする。


「じゃぁ……」

「そわ」

一通り蒔田との話が終ったとき、部屋の外から真宏の声が聞こえた。