私は夏休みの課題に出された問題集を解く手を止めると、手元に戻ってきた星のキーホルダーを握りしめた。
失くしてしまってもう諦めなければいけないと思っていたのに。
私は真宏の顔を思い起こすとそっとほほ笑んだ。
あの女の親戚ということもあって真宏のことを快くは思っていなかったけれど、今は彼のことを少し見直している。
真宏が私を遊園地に連れて行ったのは、私を元気づけてくれるためだったということも何となく感じ取っていた。
私は机の上に広げている問題集を閉じると、スクールバッグの中を手で探った。
そして、そこから一枚の引っ張り出す。
終業式の日からそのまま放ったらかしにしていたせいで、紙には少し皺ができていた。
机の上に紙を広げて、そこにできてしまった皺を手の平で伸ばす。
それは終業式の日に蒔田からもらった、天文部の天体観測の日程表だった。
すっかり気力を無くしてまともにその日程表を見ていなかったけれど、私も参加できそうな日が何日かある。