「これ……」

奏葉の手の平で、銀色の星のキーホルダーがキラリと光る。


「昨日、学校の花壇で見つけた」

俺は若菜のことには触れずにそう言った。


「嘘。だって、あれだけ必死で探しても見つからなかったのに……」

奏葉は今彼女の手の中にあるものが信じられないようで、何度も握りしめてはその感触がほんものなのかを確かめていた。


「あの日は雨が降ってたからかもな。晴れてる日に探してみたら、案外簡単に見つかった」

「そうなんだ……」

奏葉は手の平のキーホルダーの星を愛おしそうに見つめると、それをスマホに付けた。

そして元の位置に戻ってきた星のキーホルダーを目の前でゆらゆらと振る。

満足気な顔をした奏葉は、俺の目の前でもキーホルダーをゆらゆらと揺らした。


「見つかってよかったな」

そう言って笑いかけると、奏葉が俺の前でちらつかせていたキーホルダーを退けた。

不意に、キーホルダーに代わって奏葉の顔が間近に現れる。