俺が笑い続けていると、奏葉がふて腐れた子どものように顔を背けた。


「じゃぁ、大人の乗り物に乗りに行こう」

ふて腐れる奏葉の腕を掴むと、コーヒーカップのある方を指差してふざける。

奏葉はちょっと俺を睨むと、黙って後ろをついてきた。

コーヒーカップの乗り場に着くと、周りは子どもばかりで俺達ぐらいの年齢の客は一人もいなかった。

でもさっき長蛇の列を作っていたジェットコースターと違って、ほとんど並ばずに乗ることができる。


「さすが、大人の乗り物は違うなぁ。並ばなくてもすぐ乗れる」

からかい口調で言うと、奏葉は俺を睨んで乗り場から立ち去ろうとした。


「嫌なら別に乗らなくていいから!」

俺を振り切って歩いていこうとする奏葉の腕を慌てて掴む。


「嫌じゃないって」

俺は奏葉の腕を引っ張って、半ば強引にコーヒーカップに乗せた。

ただ乗ってるだけでは面白くないから、真ん中のハンドルを思いきり回してコーヒーカップの回転を高速にする。