結局真宏に引っ張られるがままに遊園地に着いてしまった私達は、入園券を買って中に入った。
この辺りでは比較的規模の大きいその遊園地は、夏休みということもあって家族連れやカップルで混み合っていた。
「どうして私があんたと二人でデートみたいなことしなきゃいけないのよ!」
遊園地の入り口で渡された割引券を真宏に押し付けながら苛立った声を出す。
「デートみたいって、まさか俺のこと意識してんの?」
真宏が私が押し付けた割引券を受け取りながら、からかうようににやにやと笑う。
「ちがっ……!!」
「別に俺達はカップルでも何でもないし、そんなこといちいち気にする必要ないだろ?」
真宏に言われ、私は頬を膨らませながら彼から視線を反らした。
ムカつく……
不機嫌になっている私を横目で見ながら、真宏がけらけらと笑う。
そして、手にしている割引券をチラリと見ながらからかい口調で言った。