「何なのよ!」
ベッドの上に座らされた私は、また寝転がる気にもなれず仕方なく立ち上がる。
ぶつぶつと独り言のように文句を言いながら、服を着替えた。
出かける準備を整えて渋々部屋を出ると、ドアのすぐ傍で真宏が待っていた。
「わ!」
「じゃ、行こうぜ」
真宏は嬌声をあげた私の腕を掴むと、ぐいぐいと玄関へと引っ張っていった。
そして、強引に家の外へと連れ出す。
一体何だって言うんだ……
私はため息をつくと、真宏の後ろをついて歩いた。
駅に着くと、真宏が遊園地の最寄り駅までの切符を二枚買ってそのうちの一枚を私に手渡す。
「ねぇ、他には誰がいるの?」
駅の改札を抜けていく真宏のあとを追いながら尋ねる。
「誰かって?」
駅のホームに立った真宏が、きょとんとした顔で私を見つめ返した。