「なぁ、今から遊園地行かない?」

真宏が背中を向けている私の身体を揺さぶった。


「遊園地?」

首だけ後ろに向けて振り返ると、真宏がにっこりと笑っているのが見える。


「こんな暑い中、どうして遊園地なんて行かないといけないのよ?」

私はなぜか笑顔の真宏から顔を背けると、ぶつくさと文句を言った。


「せっかくの夏休みなんだし、家でゴロゴロしてるよりよっぽど有意義だと思うけど?」

「家でゴロゴロしている方が私にとっては有意義なの」

真宏の言葉に文句ばかりつけていると、突然彼が私の身体を持ち上げた。


「ちょっと!?」

私を抱きかかえるようにして持ち上げて、真宏が寝転んでいた私をベッドに座らせる。


「つべこべ言わずに着替えろ。俺、外で待ってるから」

真宏はそう言うと、私を部屋に残して出て行った。