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夏休みに入って一週間が経つ。

それなのに俺は、さっきからずっと学校の花壇の前にしゃがみ込んでいた。

校庭からは運動部の掛け声が響いてくる。

真夏の太陽に照りつけられている俺は、顔をあげると腕で額の汗を拭った。

          
夏休みに入ってから、奏葉はずっと元気がない。

一日中部屋にこもりっきりで、食事のときぐらいしか部屋から出て来ない。

カオルさんたちはすごく心配していたが、奏葉が元気のない理由を知っているのは俺だけだった。

奏葉が元気がないのは、ずっと身につけていた星のキーホルダーをなくしてしまったからだ。

奏葉がキーホルダーを失くしてしまった原因が自分にもあると感じている俺は、夏休みに入ってから毎日、学校にそれを探しにきていた。

なくなって日にちが経てば経つほど、見つけるのは難しい。

それはよくわかっていたけれど、それでも俺は毎日欠かさず学校へ通いつめていた。