間接的にではあるけど、俺も奏葉を傷つけた。

そう思うと、若菜だけでなく自分にも腹が立った。


俺は肩にもたれかかって眠っている奏葉の顔を見つめた。

彼女の頬にはまだうっすらと涙の痕が残っている。

             
俺は肩にもたれかかっている奏葉の頭をそっと離すと、彼女を起こさないようにソファの上へ寝かせて立ち上がった。


「ちょっと。そわのこと頼む」

「真宏?」


俺は拓馬と茉那に奏葉を託すと、保健室を飛び出した。

そしてそのままさっきまで奏葉がキーホルダーを探していた場所へと向かう。


校舎の下の花壇。

雨はもうやんでいたが、そこは雨に濡れて地面がぐしゃぐしゃに緩んでいた。

俺は花壇の前に膝を付くと、土を掘り起こして星のキーホルダーを探した。


星のキーホルダーがなくなったのは、半分は俺のせいだ。

そのことに、責任を感じた。