「しかもだよ?」
茉那に話して勢いづいた私は、彼女をじっと睨んで話を続ける。
「しかもっ!その息子にママの部屋を使わせるって言うんだよ?ありえなくない?ありえないでしょ!?いや、絶対ありえないっ!!」
私は鼻息を荒くして、手の平で机をバンと叩いた。
その音が教室に響き渡り、クラスメイト達の何人かが怪訝そうな目で私達の方を見る。
「奏葉、声大きい」
茉那は肩を竦めて教室を見回した後、私を見て苦笑した。
「ごめん……」
茉那に注意されて目を伏せる。
そんな私を見て、茉那がふふっと声を立てて笑った。
「でもさ、男の子来るんでしょ?ちょっと楽しみじゃない?」
顔を上げると、茉那がにこにこと笑いながら私を見ている。
どこかで聞き覚えのあるそのセリフに、私はがっくりと肩を落とした。