最初は一滴。
それが二滴、三滴としだいに増えてくる。
地面に膝をついたまま上を向くと、空は灰色の雲に覆われてどんよりとしていた。
雨足が強くなる前に、キーホルダーを探さないと。
私はますます必死になった。
花壇をもう一度探し終えると、立ち上がって少し離れた地面を探した。
もしかして壁に引っかかっていないだろうかと思って、そこも何度も何度も確認した。
でも、星のキーホルダーはどこにもなかった。
ぽつぽつと水滴が垂れるように降っていた雨が、次第に水の筋となって私の頬や腕に当たる。
キーホルダーを探し回って地面を這いつくばっていた私の身体は、いつの間にか砂まみれになっていた。
砂まみれになった身体を雨が濡らし、私はさらに無惨な姿になる。
ママの星は、もう見つからない――……
強く降りだした雨に打たれ、私は絶望の淵にいた。
もう、どうしたって、涙を我慢することができなかった。