「月島さん、目ぇ怖っ。これ、そんなに大事なのぉ?古くて錆びてるし、汚いじゃん。それに、スマホにチェーンのキーホルダーつけてるとかダサくない?」


若菜の言葉を聞いた私の頭にかっと一気に血が上った。


何も知らないないくせに……

それは、ママの星なんだ――……!


「返して!」

私はほとんど怒鳴りつけるように言うと、若菜に向かって乱暴に手を伸ばした。


「はいはい、返すよぉ」

若菜はからかうようにそう言うと、指先にぶら下げた星のキーホルダーを私に差し出した。


それを取り上げようとしたとき、若菜が私に向けていた指先をすっと窓のほうに向け直す。

そして、そのまま星のキーホルダーが引っかかった指先を窓の外に向かって真っ直ぐに突き出した。



落ちる――……



そう思った瞬間、頭も視界も真っ白になった。

地面へと落ちていく星のキーホルダーが残像となって、何度も何度も頭の中でフラッシュバックする。