教室に着くと、真っ直ぐに自分の席へ向かう。
今日は何だかいつもより教室の中がざわついている。
それもそのはず。
今日は一学期の終業式だった。
明日から夏休みが始まる。
それでクラスメイト達はみんな浮足立っているのだ。
浮かれた声ではしゃぎ合っている彼らを、私は冷めた目で見つめた。
「月島さん」
そんな私に、誰かが声をかけてくる。
顔を上げると、目の前に蒔田 幸輝が立っていた。
「おはよう」
蒔田に爽やかな笑顔で挨拶をされ、私も
つられて微笑み返す。
「おはよう」
挨拶を返した私に、蒔田は一枚のプリントを差し出した。
「これ、この前話した天体観測の日程表」